心を養うは寡欲より善きはなし|養心莫善於寡欲|孟子 盡心章句下|
第二章 自己を高める
心を養うは寡欲より善きはなし
ー養心莫善於寡欲ー 孟子 盡心章句下 三十五
(孟子:七編。戦国中期の儒家孟可の言行や学説を編集したもの。
性善説や王道論は有名。四書の一つ。)
{原文}
孟子曰、
養心莫善於寡欲。
其爲人也寡欲、
雖有不存焉者、寡矣。
其爲人也多欲、
雖有存焉者、寡矣。
{書き下し文}
孟子曰く、
心を養うは寡欲より善きは莫し。
其の人となりや寡欲なれば、
存せざる者有りと雖も寡なし。
其の人となりや多欲なれば、
存する者有りと雖も寡なし。
{意解}
孟子が言う。
心を成長させるのには、欲望を少なくするのが最上の方法である。
欲望の少ない人で、良心のない人はわずかである。
欲望の多い人で、良心のある人はわずかである。
孟子の思想である「性善説」である。
孟子は、人間は本来「善」であり、
この善なる本性は誰にでも備わっており、
高官だろうと庶民であろうと、
等しく変わりがない。が、
人間の本性は善ではあるが
現実の人間が善であるとは限らない。
善なる性を全面的に開花させるためには、
人格形成のための「修養」を必要とする。
この修養によって人格を完成させた者だけが
人の上に立つ資格がある、と主張する。
それには、まず自分の心を正すことが必要であり、
それへの近道が「寡欲」だという。
寡欲は自分の心を正す近道 !
老子 第46章に「禍は足るを知らざるよりも大なるはなし」とある。
足るを知るとは あるがままの現実に常に満足することだという。
足ることを知る「知足」はすべての物事に溢れている現代においては
特に心に戒めておく言葉に思う。(吾唯足知)
*寡欲:欲が少ないこと
参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。
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