第六章　成功の心得

 

第六章　成功の心得

 

険けんを行おこなって以もって幸こうを徼もとむ

ー行険以徼幸ー　　　　中庸 第十四章
（中庸：もと「礼記」中の一篇であったが、後に四書の一つに数えられた。孔子の孫の子思の撰と伝えられている。）

｛書き下し文｝

上位に在あっては下しもを陵しのがず、
下位に在あっては上うえを援ひかず、
己おのれを正しくして人に求めざれば則すなわち怨うらみなし。
上かみ天を怨うらみず、下人を尤とがめず。
故ゆえに君子は易いに居いて以もって命を俟まつ。
小人は険けんを行おこなって以もって幸こうを徼もとむ。
子曰いわく、射しゃは君子に似にたるあり、
諸これを正鵠せいこくに失うしないて、諸これをその身に反求はんきゅうすと。

＊正鵠せいこく：物事の急所・要点
＊反求はんきゅう：反省