己に如かざる者を友とするなかれ|論語|優越感に浸るべきではない

第七章 人と接するための心得

己に如かざる者を友とするなかれ
ー無友不如己者ー 論語 学而第一 8
【論語:十巻二十編。孔子や孔子の門弟の言行を記したもの。儒家の聖典とされている。四書の一つ】
{原文}
子曰、
君子不重則不威、
學則不固。
主忠信、
無友不如己者。
過則勿憚改。
{書き下し文}
子曰く、
君子重からざれば則ち威あらず、
学べば則ち固ならず。
忠信を主とし、
己に如かざる者を友とすること無かれ。
過ては則ち改むるに憚ること勿かれ。
{意解}
君子は、つねに言動を慎重にしなければ、外見が軽薄に見え威厳なく、
学ぶこともしっかり身につかない。むろん忠信(忠実と信義)を第一義とし、
安易に自分より知徳の劣った人と交って優越感に浸るべきではない。
自分の過ちを過ちとして認め、憚ること勿く改める。
友を選ぶときには必ず自分より優れた人物を選べ、という。
孔子が「現実的」な事を言った理由は言うまでもなく、
自分を啓発するのに役立つからである。
南北朝時代の乱世に生きた顔之推という人物は、
子孫の繁栄を願って「顔氏家訓」という一書を残しているが、
そのなかでかれは孔子の言葉を引いて、次のように語っている。
「例えば香りの高い花を活けた部屋に住み慣れた人は、
いつの間にかその芳香を体に染みつかせるものだ。
これと同じで、優れた人物を友にもてば、長い間には
自分もまた香気を放つ人間となるのである。だから、
交友関係にはくれぐれも慎重でありたい」
実際には、様々な人間と交友関係を結んでいるのが現実である。だが、
レベルの低い人間の中でお山の大将を気取っていては、
人間としての進歩が望めないことも事実である。
論語 季子第十六 4に 益者三友、損者三友とある。
良い友人に恵まれるのは自分の人生に於いての喜びの一篇である。
その人物を知ろうとする時には、付き合っている友人を見れば判ると語る人も
いるぐらいなので、友を選ぶには慎重を期したほうが良いのかもしれない。
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。
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