道は邇きに在り、而るにこれを遠きに求む|道在邇、而求諸遠|孟子|

第三章 社会を考える
道は爾きに在り、而るにこれを遠きに求む
ー道在邇、而求諸遠ー 孟子 離婁上 十一
(孟子:七編。戦国中期の儒家孟軻の言行や学説を編集したもの。
性善説や王道論は有名。四書の一つ。)
(原文)
道在爾而求諸遠。
事在易而求諸難。
人人親其親、
長其長而天下平。
(書き下し文)
道は爾きに在り、而るにこれを遠きに求む。
事は易きに在り、而るに諸を難きに求む。
人人其の親を親とし、
其の長を長として、而るに天下平かなり。

{意解}
人の道は、近くにあるのに、かえってこれを遠くに求めてしまう。
簡単な事であっても、かえってこれを難しく考えてしまう。
人ひとり一人が自分の両親を大切にし 目上の人や先祖を敬えば、
自ずと天下は治まる。
人の道は、身近な日常生活のうちにある。それを忘れて、
人はややもすれば わざわざ高遠のところに道を求めようとする。
親を親愛し、年長者を尊敬することそれが人の道である。
孟子、その道徳観は 四端説と呼ばれるもので
「辞譲の心は礼の端なり」で紹介したが、
人に生まれながらに備わる「四端」を昇華できれば 、
人はだれでも尊敬に値する人物になれるのだという。

つねに親を大切にし、年長者や先祖をつねに敬う。
また自分も、子に大切にされる親になる努力を怠らず 、
他人に敬われるような年長者になるべく力を尽くす。
孟子が説くように 自分の心の中にある「四端」を自覚して、
自分自身から 「人の道」をしっかりと歩きたいものである。
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。
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