患いは忽せにする所により生じ、禍は細微より起こる|説苑|

第四章 着実に生きる
患いは忽せにする所により生じ、禍は細微より起こる
ー患生于所忽、禍起于細微ー 説苑
【説苑:二十巻。前漢の劉向の撰。前賢先哲の逸話集】
原文:
患生于所忽、
禍起于細微。
書き下し文:
患いは忽せにする所により生じ、
禍は細微より起こる。

意解:
ちょっとした気持ちのゆるみから、大きな事故が起こるのだという。
工事現場などに「油断一秒、怪我一生」といったポスターが貼られていたものだが、
「説苑」がここで言わんとしているのも、そういうことにほかならない。
人間のしでかす失敗の本質は、昔も今も、あまり変わっていないのかもしれない。
これは誰でもがそうだが、難しい仕事を抱え、
それに一生懸命打ち込んでいるときには、緊張感で張り詰めている。
気持ちの緩みが起こるのは、むしろ仕事が順調に運んでいるときだ。
また、これも人間の犯しがちな過ちの一つだが、なにか問題が起こっても、
これはまあ些細な問題だからと、目をつぶろうとする。その結果、
問題をこじらせて、いよいよ解決を難しくしてしまう。
好調なときこそいっそう気持ちを引き締め、些細な段階のうちに
禍の芽を摘み取るのが、賢い処世術なのかもしれない。
韓非子 喻老に「千丈の堤も螻蟻の穴を以って潰ゆ」とある。
堂々たる堤防も、螻や蟻の掘った小さな穴から崩れてしまう。ゆえに、
どんな些細なことでも見逃さず、早め早めに手を打ち(早期対応)、
禍を未然に防がなければならない。そんな心構えがなければ、
とうてい大きな仕事を成し遂げることはできないのだと云っている。
*忽せ:おろそか。なおざり。
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。
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