天地の気 、暖なれば生じ 、寒なれば殺す|菜根譚 前集 72項|

第二章 自己を高める

天地の気 、暖なれば生じ 、寒なれば殺す
天地の気 、暖なれば生じ 、寒なれば殺す

第二章 自己を高める

 

天地てんちだんなればすなわしょうじ 、かんなればすなわさい

ー天地之気、暖則生、寒則殺ー  菜根譚 前集 72項
【菜根譚:明の洪自誠編。前集222条では人との交わり、事治、対応の道を説き、後集135条では退静閑居の楽しみを論じている】




原文:


天地之気、暖則生、寒則殺。
故性気清冷者、受享亦凉薄。
唯和気熱心之人、其福亦厚、
其沢亦長。




書き下し文:


天地てんちだんなればすなわしょうじ 、かんなればすなわさいす。
ゆえ性気せいき清冷せいれいなるものは、受享じゅきょう凉薄りょうはくなり。
だ、和気熱心わきねつしんの人のみ、ふくあつく、
そのたくながし。

天地の気 、暖なれば生じ 、寒なれば殺す
天地の気 、暖なれば生じ 、寒なれば殺す




意解:

気候が温暖であれば万物は生育し、寒冷なれば枯死する。
人間についても同じこと、
心の冷たい者は幸せに恵まれることが少ない。
末永く幸せに恵まれるのは、
心の暖かい人だ。「温かい心」これがあるからこそ、
周りの人々の支持を受けることができる。

接する人に、顔の表情、行動、所作に性格や、心の状態が表れ、
冷たさ、温かさをその人の雰囲気として伝えてしまう。
己を知る事、今の自分の状態を客観的に診ることは難しい。

論語 述而篇に「三人行えば、必ず我が師あり」とある。
優れた人物からは、積極的に学べるし、
劣る人物は自分に反省の材料を与えてくれるという。
更に「その善なる者をえらびてこれに従い、
その不善なる者にしてこれを改む」と
加えている。

詩経 小雅 鶴鳴でも「他山の石、以って玉をみがくべし」と教えてくれている。
周りの人々を善の教師、又、反面教師として
自分を知り、省みる事から始めれば、

「温かい心」「優しさ」を身にまとえると思われる。

参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)を参考に
自分なりに追記や解釈して掲載しています。

私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。