第二章　自己を高める

第二章　自己を高める

 

人ひとを看みるには、只ただ後のちの半截はんせつを看みよ

ー看人只看後半截ー　　菜根譚 前集 92項
【菜根譚：明の洪自誠編。前集222条では人との交わり、事治、対応の道を説き、後集135条では退静閑居の楽しみを論じている】

書き下し文：

声妓せいぎも晩景ばんけいに良りょうに従したがえば、一世いつせの胭花えんかも碍さまたげ無なし。
貞婦ていふも白頭はくとうに守まもりを失うしなえば、半生はんせいの清苦せいくも倶ともに非ひなり。
語ごに云いう、「人ひとを看みるには只ただ後のちの半截はんせつを看みよ」と。
真まことに名言めいげんなり。

＊声妓せいぎ：歌をうたって酒宴の席をとりもつ女性。