人生意気に感ず、功名誰かまた論ぜん|唐詩選 述懐|
第七章 人と接するための心得
人生意気に感ず、功名誰かまた論ぜん
ー人生感意気、功名誰復論ー 唐詩選 述懐
【唐詩選:七巻。唐代の詩人百二十七名の詩の選集。明の李攀竜の選といわれているが、偽託説もある】
原文:
人生感意気、
功名誰復論。
書き下し文:
人生意気に感ず、
功名誰かまた論ぜん。
意解:
「唐詩選」の巻頭を飾る「述懐」と題する詩の一節。
作者は魏徴。唐の二代目皇帝太宗に仕えた名臣である。
詮索はしないが、偽託説もある。
太宗がまだ即位する前、兄の健成と骨肉の争いを展開したとき、
魏徴は健成側の謀臣として活躍した。この争いで健成は殺され、
太宗の即位となるのであるが、このとき、魏徴は才能を認められて
太宗の幕下に迎えられ、やがて命を受けて東方に宣撫官として出向いていく。
その時にこの詩を詠んだとされている。
人生は男同士の意気に感ずるもの、
功名などは問題とするに当たらないという意味。
男のロマンを詠んだ一句である。
人は各々の利害で行動するかもしれないが、
お互いに利己的な行動ばかりでは、
あまりにも味気ない。「人生意気に感ず」というロマンが
人生にもっと在ってもいいのではと思われる。
論語 季子第十六 4に「益者三友、損者三友」がある。
孔子は、付き合って為になる友人(益者三友)、
付き合って為にならない友人(損者三友)があるとして、語っている。
「為になる友人とは、実直な人、誠実な人、良識のある人。
為にならない友人とは、媚びる人、人当たりばかりよい人、口先だけはうまい人」
だという。
*宣撫官:占領地において、占領軍の目的や方針などを知らせて、
人心を安定させることを任務とする軍属
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。
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