徳に順う者は昌え、徳に逆う者は亡ぶ|順徳者昌、逆徳者亡|漢書 |

第三章 社会を考える
徳に順う者は昌え、徳に逆う者は亡ぶ
ー順徳者昌、逆徳者亡ー 漢書 高帝紀上
【漢書:百二十巻。前漢の歴史を記録した正史。後漢の班彪と、その子班固、班昭の撰】
原文:
順徳者昌、
逆徳者亡。
書き下し文:
徳に順う者は昌え、
徳に逆う者は亡ぶ。

意解:
漢の劉邦が項羽の覇権に挑戦し、洛陽のあたりまで軍を進めたときのことである。
そのあたりの董公と呼ばれる長老が面会を求め、この言葉を引いて、
大義名分を明らかにし道義の上でも優位に立つことを進言したといわれる。
「徳」はこの場合、道義あるいは道理と理解すると、わかりやすい。
董公はこのとき「臣聞く」と言ってこの言葉を引用している。
それを見ると、この言葉もまた諺のように流布していたのかもしれない。
それは社会の実態であったと云うよりは、人々の願いのようなものであったろう。
現代がそうであるように、いつの時代でも良からぬ輩が幅をきかし、
悪が栄えているように見える。まっとうに生きている者は、それを見て、
このようなことばを心の中でつぶやきながら、自分を納得させてきたに違いない。
しかし、それは長い眼でみると、たんなる願望ではなく、歴史的な事実でもある。
史記 伯夷列伝に「天道是か非か」とある。
ある人は言った、「天の道は公平無私であって、常に善人の味方である」と。
しかし、公明正大で、それだけに心を奮い立たせるも、災難に遭うような者
は数え切れないほどである。故に、私(司馬遷)はひどく戸惑うのである。
もしかすると、世間で言う天の道ははたして正しいのか正しくないのか。
と問いかけている。
*道義:人のふみ行うべき道徳上の筋道
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。
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