第二章 自己を高める
君子に九思あり
ー君子有九思ー 論語 季氏第十六 10
(論語:十巻二十編。孔子や孔子の門弟の言行を記したもの。
儒家の聖典とされている。四書の一つ。)
{原文}
孔子曰、君子有九思。
視思明、聽思聰、
色思温、 貌思恭、
言思忠、事思敬、
疑思問、忿思難、
見得思義。
{書き下し文}
孔子曰く、君子に九思あり。
視るは明を思い、聴くは聰を思い、
色は温を思い、貌は恭を思い、
言は忠を思い、事は敬を思い、
疑わしきは問うを思い、怒りには難を思い、
得るを見ては義を思う。
{意解}
君子には、常に心がけなければならないことが、九つあるのだという。
孔子は、こう語っている。
孔子曰く、君子に九思あり。
視思明、 視るは明を思い 視覚においては聡明であること
聽思聰、 聴くは聡を思い思い 聴覚においては鋭敏であること
色思温、 色は温を思い 表情においては温か味があること
貌思恭、 貌は恭を思い 態度においては誠実であること
言思忠、 言は忠を思い 発言においては忠実であること
事思敬、 事は敬を思い 行動においては慎重であること
疑思問、 疑わしきは問うを思い 疑問に接しては探究心を持つこと
忿思難、 怒りには難を思い 感情に駆られて迷惑をかけぬこと
見得思義。 得るを見ては義を思う 利に直面しても義を忘れぬこと
これらのことを心がければ、
バランスのとれた社会人として合格点を頂けると言っている。
論語 季子第十六 4に「益者三友、損者三友」もある。
付き合って為になる友人(益者三友) 付き合って為にならない友人(損者三友)
友直、 直を友とし、 実直な人、 友便辟、便辟を友とし、 媚びる人
友諒 諒を友とし、 誠実な人、 友善柔、善柔を友とし、人受けのよい人
友多聞、多聞を友とする 良識のある人。 友便佞、便佞を友とする 多弁な人
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。