君子は必ずその独りを慎む|君子必慎其独也|大学 伝六章|

第四章 着実に生きる
君子は必ずその独りを慎む
ー君子必慎其独也ー 大学 伝六章
(大学:一巻。もと「礼記」中の一篇であったが、宋代以降、単行本として独立し、朱熹がこれを四書の一としたことから、特に広く読まれるようになった。)
{原文}
所謂誠其意者、毋自欺也。
如悪悪臭、如好好色。
此之謂自謙。
故君子必慎其独也。
{書き下し文}
所謂その意を誠にするとは、自ら欺く毋なり。
悪臭を悪むが如く、好色を好むが如し。
これをこれ自ら謙くすと謂う。
故に君子は必ずその独りを慎むなり。

{意解}
いわゆるその意を誠にするというのは、
修身をするに当たって自分自身を不正に欺くことがないということである。
悪臭を憎むように悪を憎めば悪事をなさず、
好色を好むように善を好めば善事をなすようになる。
このようになれば自然に善行を為して悪を遠ざけるので、
快い気持ちになっていくというのである。
故に、君子は必ず自分ひとりしか知らないこと
(他人に見られていない言動)を慎むのである。
例えば、自動車を運転する際に日頃マナーに気をつけて運転していても、
同乗者がいない時や、諸事情で急いでいる時等に、ついつい気の緩みで、
マナーを怠ったりしがちである。他人には気づかれなくても、
自分自身にはしっかり見られている。それが、いつまでも気持ちに引っかかり、
なんとも後味が悪い経験をしたことが有るのではないだろうか(心の引け目)。
「独りを慎む」のは、結局、自分のためなのである。
十八史略 東漢に「天知る、地知る、我知る、子知る」とある。
(天知る、地知る、我知る、人知る)誰も知らないことはない。
この話は、楊震の「四知」として知られている。聖職・官職にある者は、
これくらいの厳しさが望まれるのかもしれない。又、
不正行為はいつかは必ず発覚するという教訓でもある。
善い行いも然りである。
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。
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