鎡基ありといえども、時を待つに如かず|孟子 公孫丑章句上一|
第五章 逆境を乗り越えるための心得
鎡基ありといえども、時を待つに如かず
ー雖有鎡基、不如待時ー 孟子 公孫丑章句上一
(孟子:七篇。戦国中期の儒家孟軻(もうか)の言行や学説を編集したもの。性善説や王道論は有名。四書の一つ。)
{書き下し文}
斉のことわざに曰く、
『智慧有りと雖も、勢いに乗るに如かず。
鎡基有りと雖も、雨期を待つに如かず』と。
{意解}
どんなに知力に優れた才人であっても、
時流に乗って勢いのある者には及ばない。
どんなに素晴らしい農具が揃っていても、
季節はずれの農作業をしていたのでは収穫を期待できない。
それよりは季節の訪れを待って作業を始めたほうが、
たとえ粗末な農具でも立派な収穫を上げることができるというもの。
農作業だけでなく、すべての仕事、更には人生の生き方にも相通じることである。
「鎡基:農具」とは、いわばその人の実力に例えることができる。
十分な実力を持っていても、時を得なかったら、それを発揮できない。
逆に時に恵まれたら、それほどの実力がなくても、
それを二倍にも三倍にもして生かすことができるだろう。
実力もあり、時にも恵まれる、これが最もベストなことだが、
人生、そんなにうまくいく時ばかりではない。
実力を蓄えながら我慢強く時を待ち、上手く時を掴んだ者が、
結局は最後に微笑むのかもしれない。
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。