第一章 大きく生きる
年年歳歳、花相似たり 歳歳年年、人同じからず
ー年年歳歳花相似 歳歳年年人不同ー 唐詩選
(唐詩選:七巻。唐代の詩人百二十七名の詩の選集。)
{原文}
年年歳歳花相似
歳歳年年人不同
{書き下し文}
年年歳歳、花相似たり
歳歳年年、人同じからず
{意解}
花は毎年同じように咲くが、
人は年ごとに変わっていくというもの。
誰しも感じることです。一年、二年ではさほど変化は目立たないが
十年もすると変わり、三十年もすると すっかり変わったことに気づき、
その時に、老いを感じるものです。「少年」から「壮年」、そして
「壮年」から「老年」 へと足早に過ぎていく。
ただ生きて、気づいた時に残りわずかな 四季を感じとる。
自分の短い人生をどう生きるのか!
荘子 知北遊篇に「人生は白駒の隙を過ぐるが如し」とある。
人生の短いことを語った言葉で、人が天地の間に生きているのは、
ちようど白馬が走り去るのを戸の隙間からのぞき見るようなもので、
ほんの一瞬のことに過ぎないと云っている。
この劉廷之の 「代悲白頭翁|白頭を悲しむ翁に代わって」
の七言古詩の一節を機に 、
「我が人生に悔いなし」と己に公言できる生き方を
模索してみるのも有りかも!
- 古人復無し 洛城の東
- 今人還對す 落花の風
- 年年歳歳 花相似たり
- 歳歳年年 人同じからず
- 言を寄す 全盛の 紅顔子
- 應に憐れむべし 半死 白頭の翁
- 此の翁の白頭 眞に憐れむ可し
- 伊れ昔は紅顔の 美少年
昔の人は洛陽の東の春景色を再び見ることはないが、
今の人も昔の人と同じように、花を吹き散らす風に向かい合っている。
毎年毎年花は同じように咲くが、
年々それを見る人は同じではない。
だから申し上げたい。今を盛りの紅顔の美少年達よ、
半ば死にかけている白髪の老人を憐れと思いたまえ。
この老人の白髪頭は誠に憐れむべきだが、
これでも昔は紅顔の美少年であったのだ。
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。