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事を処するには心あるべからず|処事不可有心|宋名臣言行録 韓琦|

事を処するには心あるべからず50,96 第六章 成功の心得
事を処するには心あるべからず50,96

第六章 成功の心得

 

ことしょするには、こころあるべからず

ー処事不可有心ー    宋名臣言行録 韓琦
(宋名臣言行録:二十四巻。前集十巻、後集十四巻は南宋の朱熹の撰。続集八巻、別集二十六巻、外集十七巻は李幼武の補。宋代名臣の言行を集めたもの。)




{原文}

処事、不可有心。
有心則不自然。
不自然則擾。




{書き下し文}

事を処するには、心あるべからず。
心あればすなわち自然ならず。
自然ならざればすなわちみだる。

事を処するには心あるべからず50,96

事を処するには心あるべからず50,96




{意解}

この場合の「心」は「下心」である。
物事を対処するにあたっては、下心があってはうまくいかない。

下心があれば無理をする。無理をすれば乱れてしまう。

宋代の名宰相の韓琦かんきという人物、かれが語った言葉である。
韓琦は、こんな事例をあげている。太原地区は昔より射術が盛んで

その地区の長官がこれをうまく利用しようとはかり、
射術が上手な者達を軍に入れた上、彼らに角弓の使用を命じた。
ところがこの地方は貧しいところで、木弓しかなかった。それで、
人々はわざわざ牛を売って角弓を用意しなければならず、大騒ぎになってしまった。

 韓琦はこの事例を紹介した後、「これ有心より出ずればなり」と語っている。
下心があれば、善い結果にはならないと言う事だろう。

孫子が「知者の慮は必ず利害に雑う」と言っている。
両面思考、トータル思考のすすめである。
利害を追求するときは損失の面も考慮に入れる。そうすれば、
物事は順調に進展する。
万一、損失をこうむった時には、
それによって受ける利益の面も考慮に入れる。そうすれば、
無用な心配をしないですむ。」と云う。
こういう思考を身に着ければ、
つまらぬ失敗を少なくすることができると思われる。

*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。

私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。