遠水は近火を救わず|遠水不救近火也|韓非子 説林|

第六章 成功の心得

遠水は近火を救わず

第六章 成功の心得

 

遠水えんすい近火きんかすくわず

ー遠水不救近火也ー    韓非子 説林
{韓非子:二十五巻五十五篇。戦国時代の韓非の撰。先秦時代の法家の学を集大成し、それに韓非の考えを加えたもの。はじめ「韓子」と称したが、宋以後、唐の韓愈と区別するため「非」の字を加えたもの。}

{書き下し文}


犁鉏りしょ曰く、

人をえつより仮りて溺子できじょすくわむとせば、
越人とく遊ぐといえども、子はかならきざらむ。
火をしつして水を海より取らば、
海水多しといえども、火はかならへざらむ。
遠水は近火きんかすくわずなり。
今、しんけいとは強しといえども、しかれどせいは近し。
わずらすくわれざらんか、と。

遠水は近火を救わず