第七章　人と接するための心得

第七章　人と接するための心得

 

壹貴壹賎いつきいつせん、交情こうじょうすなわち見あらわる

ー壹貴壹賎、交情乃見ー　　史記 第十巻
【史記：百三十巻。前漢の司馬遷が撰した、中国最初の通史。
上古の黄帝から、漢の武帝までの歴史を紀伝体で記されている】

書き下し文：

下邽かけい翟公てきこう有言ゆうげんを為なす、始はじめ翟公てきこう廷尉ていいと為なり、賓客ひんかくで門もんは填うずまる。
及廃きゅうはいするや、門外に雀羅じゃくらを設せつべし。
翟公廷尉てきこうていいに復ふく為なり、賓客ひんかく欲往ゆうおう、翟公てきこう門もんに署しるして曰いわく、
「壹死壹生いつしいつせい、乃すなわち交情こうじょうを知しり。壹貧壹富いつひんいつふ、乃すなわち交態こうたいを知しり。
壹貴壹賎いつきいつせん、交情こうじょう乃すなわち見あらわる。」