軍に将たるの事は、静以って幽、正以って治|孫子 第十一章 九地篇
第八章 リーダーの心得
軍に将たるの事は、静以って幽、正以って治
ー将軍之事、静以幽、正以治ー 孫子 第十一章 九地篇
【孫子:一巻。春秋末期の呉の孫武の撰した兵法書】
意解:
将軍の仕事は、もの静かで思慮深く、公明正大で
自分をよく律しなければならない。
これもリーダーの心構えについて語った言葉である。
「軍に将たるの事」とは、群を率いるときの心構えである。
それは何かと言えば、「静」であり「幽」であることだという。
「幽」とは、測り知れないほど奥が深いという意味である。つまり、
リーダーというのは、もろもろの謀を胸の奥深く秘めてじっくりと構え、
やたらに軽挙妄動したり、不安動揺を外に現したりするなというのだ。
これのメリットは、言うまでもなく危機管理に強くなることだ。
組織はピンチに陥ったとき、部下はまっ先に上の者の顔色をうかがうものだが、
そんなとき、上に立つ者があわただしく動き回ったり、
いかにも不安げな表情を浮かべたりしていたのでは、
組織の動揺はいよいよ大きくなっていくに違いない。
リーダーはいつも冷静沈着であれ!
そうあってこそ組織を掌握し、
部下の信頼を勝ち取ることができるのだという。
三国志 卷三二 蜀書 先主備傳に「喜怒を色に形さず」とある。
喜怒哀楽の感情を顔に出さない、つまり、
いつも淡々と事態に対処するということで、
リーダーに対する褒め言葉である。
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。