国を治むるはなお樹を裁うるが如し|治国猶如裁樹|貞観政要|

第八章 リーダーの心得
国を治むるはなお樹を裁うるが如し
ー治国猶如裁樹ー 貞観政要
【貞観政要:十巻。唐の呉兢の著。唐の太宗と重臣とが政治に関して論じたものを、四十門に分けて類編した書】
原文:
治国猶如裁樹
書き下し文:
国を治むるはなお樹を裁うるが如し

意解:
名君の誉れ高い唐の太宗が語った言葉である。では、
国を治める道がなぜ「樹を栽うるが如し」なのか。
太宗は、その理由をこう語っている。
「本根揺かざれば、則ち枝葉茂栄す。君よく清浄ならば、
百姓なんぞ安楽ならざるおえんや」
木というのは、根や幹さえしっかりしていれば、枝葉は自然に繁茂する。
それと同じように、上に立つ君主が慎めば、
人民の生活も自ずから安定するはずだ。というのである。
太宗の語っていることを、企業経営にたとえれば、
つぎの二つの意味を汲み取ることができよう。
一、経営方針を確立し、経営基盤を固めること
一、トップが身勝手な言動を慎み、率先精励すること
この二つの原則を踏み外さなければ、明るい展望が開けてくるのだという。
三国志 先主伝注 諸葛亮集にも「これ賢これ徳、よく人を服す」とあり、
劉備が次のように述べている。
「小さな悪だからといって、けっして行ってはならぬ、
小さな善だからといって、けっして怠ってはならぬ。
賢と徳、この二字が人を動かすのである。(これ賢これ徳、よく人を服す)
汝の父は徳に欠けていた。この父にならってはならぬ」
劉備は謙虚と信頼をもって部下に接していた。それなのに、
「わたしは徳に欠けていた」と反省しているところが、
いかにも劉備の謙虚さと優れた人格を感じとれる。
*率先精励:率先してつとめ励むこと
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。
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