直木は先ず伐られ、甘井は先ず竭く|直木先伐、甘井先竭|莊子 山木
第一章 大きく生きる
直木は先ず伐られ、甘井は先ず竭く
ー直木先伐、甘井先竭ー 莊子 山木
【荘子:三十三篇。戦国中期の道家荘周とその一門の思想を記したもの。荘周の撰。外・内・雑編から成り、内編七編以外の大部分は、後人の仮託になるものといわれている。「南華新経」ともいう】
書き下し文:
直木は先ず伐られ、甘井は先ず竭く。
子は其れ意うに、知を飾りて以て愚を驚かし、
身を修めて以て汚を明らかにし、
昭昭乎として日月を掲げて行くが如し。
故に免れざるなり。
口語訳:
真っ直ぐに伸びた木はまず伐採され、うまい水のでる井戸はまず汲みつくされる。
あなたは、考えてみるのに、知識を飾り立てて愚か者をびっくりさせ、
自分の身を修めて他人の欠点をはっきりさせ、
すみずみまであきらかにし、まるで日月(太陽と月)をかざして歩いているようなものだ。
だから災難を免れない。