断じて敢行すれば、鬼神もこれを避く|断而敢行、鬼神避之|史記|
第一章 大きく生きる
断じて敢行すれば、鬼神もこれを避く
ー断而敢行、鬼神避之ー 史記 李斯伝
(史記:百三十巻。前漢の司馬遷の選した、中国最初の通史。上古の黄帝から、漢の武帝に至る歴史を紀伝体のよって記している。)
{原文}
断而敢行、
鬼神避之。
{書き下し文}
断じて敢行すれば、
鬼神もこれを避く。
{意解}
通常、何か大事な難しい事を始める時の意気込みを表す時によく使われるが、
元は宮廷の政権争いが背景である。秦の始皇帝が急死した時、
遺言で長男の扶蘇が後継者となっていたが、宦官の趙高が
実権を握りたいばかりに扶蘇を殺して、次男の胡亥を立てようと画策、
渋る胡亥(凡庸な)に脅しをかける文中の一部分の言葉である。
「小を顧みて大を忘るれば、後必ず害あり。狐疑猶予すれば、後必ず悔あり。
断じて敢行すれば、鬼神もこれを避け、後成功あり。願わくば子これを遂げよ」
こう言って胡亥に決断を迫ったのである。
この一文の背景がどうであれ 「断じて行えば鬼神もこれを避く」 は
自分自身にとって重大で、且つ難しい事を決行するときの心の決意として、
刻んでおきたい一文だろう。
礼記 曲礼・上に「難に臨んでは苟も免れんとするなかれ」とある。
自分が正しいと信じて進んだ道は、前途多難が待ち構えていても
避けて通ってはならない。自分が正しいと信じたことは、
最後まで貫く!
これは人の人生の根冠に対する格言に思える。
*狐疑猶予:ぐずぐず引き延ばす
参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。
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