
苦中の苦を受けざれば、人の上の人たること難し
第二章
苦中の苦を受けざれば、人の上の人たること難し
ー不受苦中苦、難為人上人ー 通俗編
(通俗編:三十八巻。清の擢項の撰。日常使っている語を集めて分類し、
その出処を明示したもの。天文・地理・時序以下三十六類に分けている。)
{原文}
不受苦中苦、
難為人上人。
{書き下し文}
苦中の苦を受けざれば、
人の上の人たること難し。

苦中の苦を受けざれば、人の上の人たること難し
{意解}
「苦中の苦」すなわち極限状態の苦労を体験した人物でなければ、
人の上に立つ資格がないというのだ。
そういう体験をすれば、 その体験から、
人の苦悶、苦悩、不遇も理解できるし、
人を見る目も練れてくる、
逆境に耐えるたくましさも身についてくる。
こういう人物は 上に立つ、云々以前の 人としての畏敬に値する。
「艱難辛苦汝を玉にす」 人は困難や苦労を乗り越えることによって、
初めて立派な人間に成長する。
「苦中の苦」も 「艱難汝を玉にす」 を心に抱けば
いっこうに苦にならないかもしれない。
*畏敬:心から服しうやまうこと
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。