事を慮ること深遠なれば、則ち迂に近し|宋名臣言行録|
第一章 大きく生きる
事を慮ること深遠なれば、則ち迂に近し
ー慮事深遠、則近於迂矣ー 宋名臣言行録
(宋名臣言行録:二十四巻。前集十巻、後集十四巻は南宋の朱熹の撰。続集八巻、別集二十六巻、外集十七巻は李幼武の補。宋代名臣の言行を集めたもの。)
{原文}
慮事深遠、
則近於迂矣。
{書き下し文}
事を慮ること深遠なれば、
則ち迂に近し。
{意解}
「迂」は、遠回り(まだるっこしい、非現実的)という意味である。
慎重に物事を考え、対処すればするほど「迂」に近くなるという、
決して批判した言葉ではなく熟考し、周到に思考すれば、
どうしても「迂」に思われがちになる。
熟考し、かつ機敏な処置ができれば、ベストである。
行動に責任を重んじる大人にとっては
日頃から意識しておきたい言行録ではないだろうか。
易経に「君子以って事を作すには始めを謀る」とある。
われわれ日本人は、「走り出してから考える」といわれる。
こういう「先制速攻」型には、むろん大きなメリットがある。しかし、
マイナスもある。情勢のまにまに、右へ走ったり左へ走ったり、
たえず試行錯誤を強いられることだ。その結果、労多くして
功少なしということにもなりかねない。スタートするまえに、
よく調査研究し、計画を練りあげろということだ。
これをしっかりしてかかれば、不測の事故やトラブルを
最小限に抑えることができるのだという。
これに機敏な対応能力を併せ持った物が勝ち残るということになるのだろう。
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。
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