国を治むるの道は寛猛中を得るに在り|宋名臣言行録 呂蒙正|
第三章 社会を考える
国を治むるの道は寛猛中を得るに在り
ー治国之道在乎寛猛得中ー 宋名臣言行録 呂蒙正(宋史紀事本末卷十七)
(宋名臣言行録:二十四巻。前集十巻、後集十四巻は南宋の朱熹の撰。続集八巻、別集二十六巻、外集十七巻は李幼武の補。宋代名臣の言行を集めたもの。)
{原文}
治国之道、
在乎寛猛得中。
寛則政令不成、
猛則民无所措手足。
{書き下し文}
国を治むるの道は
寛猛中を得るに在り。
寛なれば政令成らず、
猛なれば民、手足を措くなし。
{意解}
国を治めるコツは、寛(ゆるやか)と猛(きびしさ)の
バランスをとることにあるのだという。
名君と称される宋の太宗のことばの中に出てくる。
「国を治むるの道は、寛猛中を得るに在り。
寛なれば政令成らず、猛なれば民、手足を措くなし。
天下を有つ者、これを慎まざるべけんや。」
これは現代の政治にも、そのまま当てはまる。
寛にすぎれば、テンデンバラバラに走り出して、
国としての体をなさなくなる。
逆に猛にすぎれば、下からの活力が失われてしまう。
たとえばアングラマネー! (地下経済とは、アングラマネー
などとも呼ばれ、 政府がその実体を把握しきれていない=非合法な
経済活動のことを言います)
締め付けを厳しくすれば、かえって経済界に混乱を生むかもしれない。
寛ならず、猛ならず、この中庸あたりの兼ね合いがむずかしいのである。
これは国の政治だけでなく、組織管理全体に通じることだ。
荀子 王制篇第九に「君は船なり、庶民は水なり」とある。
「君主は舟、人民は水」にあたるのだという。
舟が水しだいで安定もし転覆もするように、
君主の座も人民の出方次第で安定もし転覆もする。
ゆえに、君主が自らの地位を安泰にするためには、
何よりもまず人民の信頼を得るように努めなければならないというもの。
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。
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