
船覆りてすなわち善く游ぐを見、馬奔りてすなわちよく御するを見る
第五章
船覆りてすなわち善く游ぐを見、
馬奔りてすなわちよく御するを見る
ー舟覆乃見善游、馬奔乃見良御ー 淮南子 巻十七 說林訓
(准南子:二十一巻。前漢の淮南王・劉安が幕下の学者に命じて、
各々の専門について講論させて作った書。)
{原文}
舟覆乃見善游、
馬奔乃見良御。
{書き下し文}
船覆りてすなわち善く游ぐを見、
馬奔りてすなわちよく御するを見る。

船覆りてすなわち善く游ぐを見、馬奔りてすなわちよく御するを見る
{意解}
「船がひっくり返った時に、
初めて泳ぎの達者な人間であるかどうかわかる。
馬が走り出した時に、初めて乗りこなす術を心得ているかどうかがわかる」
という意味だ。つまり
ピンチに陥った時に、初めてその人の真価が発揮される、というのである。
馬が並足でかけているときは、馬術の心得のない者でも、
背中にしがみついていることはできるかもしれない。
だが、ちょっとスピードをあげれば、たちまち悲鳴を上げたり、
振り落とされてしまったりする。
事業経営でも同じことである。
時に恵まれれば、凡庸な経営者でも、
それなりの成績を上げることができる。
だが、それを自分の実力だと錯覚してはならない。
実力が試されるのは、ピンチに陥った時だ。
ピンチは必ず訪れる。
その時こそ、真価を発揮する時(顕現価値)であり、
そのピンチを乗り切ってこそ、
一人前の経営者と言える。
普段から実力を養っておくことを忘れてはならない。
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。