暴虎馮河、死して悔いなき者は、吾与にせず|論語 述而第七 十|

第七章 人と接するための心得
暴虎馮河、死して悔いなき者は、吾与にせず
ー暴虎馮河、死而無悔者、吾不予与也ー 論語 述而第七 十
【論語:十巻二十編。孔子や孔子の門弟の言行を記したもの。儒家の聖典とされている。四書の一つ】
原文:
子路曰、
子行三軍、則誰與。
子曰、
暴虎馮河、死而無悔者、
吾不與也。
必也臨事而懼、好謀而成者也。
書き下し文:
子路曰わく、
子、三軍 を行なわば、則ち誰れと与にせん。
子曰わく、
暴虎馮河して死して悔いなき者は、
吾与にせざるなり。
必ずや事に臨みて懼れ、謀を好みて成さん者なり。

意解:
孔子の門下に子路という武勇を好み、
そのためか性格はいささか軽率なところがある人物がいた。
あるとき、この子路が孔子に問う、
「もし先生が大軍を率いられるとしたら、誰を副官として任命なさいますか?」
と尋ねて、孔子は、
「虎と格闘したり黄河を泳いで渡る様な向こう見ずは任命しない。
注意深く、成功率の高い綿密な計画を立てる人物を任命するだろう。」
と答えている。
孔子だけでなく、「暴虎馮河」な向う見ずな人物は敬遠したくなるだろう。
上司や共に行動する同僚にとっては、安心して仕事を任せられるのは、
思慮深い、慎重な人物の方になるだろう。
宋名臣言行録 巻三に「人を挙ぐるにはすべからく退を好む者を挙ぐべし」とある。
欲が少なく、控え目で、出しゃばり過ぎず、与えられた職責をきちんと果たすので、
結局、失敗が少ないのだと言い、人を推薦する時には
そういうタイプを選んだほうが善いと云っている。
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。
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