天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず|孟子 公孫丑章|

第八章 リーダーの心得
天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず
ー天時不如地利、地利不如人和ー 孟子 公孫丑章句上
【孟子:七編。戦国中期の儒家孟軻の言行や学説を編集したもの。性善説や王道論は有名。四書の一つ】
原文:
天時不如地利、
地利不如人和。
中文略・・・
故曰、
『域民不以封疆之界、
固国不以山谿之険、
威天下不以兵革之利。』
得道者多助、
失道者寡助。
寡助之至、親戚畔之、
多助之至、天下順之。
以天下之所順、攻親戚之所畔。
故君子有不戦。
戦必勝矣。」
書き下し文:
天の時は地の利に如かず、
地の利は人の和に如かず。
中文略・・・
故に曰く、
『民を域るに封疆の界を以てせず、
国を固むるに山谿の険を以てせず、
天下を威すに兵革の利を以てせず。』と。
道を得る者は助け多く、
道を失ふ者は助け寡なし。
助け寡なきの至りは、親戚も之に畔き、
助け多きの至りは、天下も之に順ふ。
天下の順ふ所を以て、親戚の畔く所を攻む。
故に君子戦はざること有り。
戦へば必ず勝つ。」と。

意解:
事業(仕事)を成功させるためには、
三つの条件が揃わなければならないといわれている。
一、天の時:実行のタイミング
一、地の利:立地条件
一、人の和:内部の団結
「孟子」はこれに優先順位をつけ、「人の和」がもっとも重要だとする。
その理由は、こうである。
「小さな城を包囲攻撃しても、容易に陥落しない場合がある。
攻撃している以上、当然、天の時をとらえているはずである。
それでも勝てないのは、天の時も地の利に勝てないからだ。
城壁も高い、濠も深い。装備もすぐれ、兵糧も十分にある。それでいて、
城を捨てて敗走する場合もあるのは、地の利も人の和に及ばないからだ」
では、「人の和」を勝ち取るにはどうすればよいのか。
「孟子」によれば、正しい「道」に則ること、つまり、
みんなに支持されるちゃんとした目標を提示することだという。
呉子 図国第一に「先ず和して而る後に大事を造す」とある。
正道を踏む君主は、その民を戦争に用いようとするとき、
先に民と親和し、そうしてから大事を行ったという。
組織の意思統一と言ってよい。大きな仕事を成し遂げるためには、
これが欠かせないということだ。
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。
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