君子以って事を作すには始めを謀る|君子以作事謀始|易経|
第六章 成功の心得
君子以って事を作すには始めを謀る
ー君子以作事謀始ー 易経
【易経:「易」または「周易」ともいう。五経の一つ。卜筮(ぼくぜい)の法によって、倫理道徳を説いたもの。上下の「経」と、その注釈篇である。
「十翼」からなり、十翼は孔子の編と伝えられている】
意解:
われわれ日本人は、「走り出してから考える」といわれる。
「とにかくバスに乗り遅れるな」というわけであろう。
こういう「先制速攻」型には、むろん大きなメリットがある。
なんといってもその行動力、機敏な対応能力は評価されなければならない。
しかし、マイナスもある。情勢のまにまに、右へ走ったり左へ走ったり、
たえず試行錯誤を強いられることだ。その結果、
労多くして功少なしということにもなりかねない。
そういうマイナスを指摘したのが、「事を作すには始めを謀る」である。
スタートするまえに、よく調査研究し、計画を練りあげろと云っている。
これをしっかりしてかかれば、不測の事故やトラブルを
最小限に抑えることができるのだという。
思うに、何をするにしても、
一、十分に練り上げられた事業計画
一、機敏な対応能力
の二面を必要とする。これを併せ持った物が勝ち残るということだ。
中庸 第二十章にも「事予めすれば則ち立ち、予めせざれば則ち廃す」とある。
何事も、十分な準備をして取り掛かれば成功し、それを怠れば失敗する。
成功と失敗の鍵となるのは、色々あるが、
先ずは準備のいかんにかかっていると言っていいだろう。
物質的にも精神的にも、十分な準備をした上(準備完全)で、
事を始めたいものである。
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。