君子に三楽あり|中国古典 名言に学ぶ

君子に三楽あり50,96

君子に三楽あり50,96

第一章

君子くんし三楽さんらくあり

ー君子有三楽ー  孟子 盡心章句上
孟子もうし:七編。戦国中期の儒家孟軻もうかの言行や学説を編集したもの。
性善説や王道論は有名。四書の一つ】

原文:
孟子曰、
君子有三樂,而王天下不與存焉。
父母俱存,兄弟無故,一樂也。
仰不愧於天,俯不怍於人,二樂也。
得天下英才而教育之,三樂也。
君子有三樂、而王天下不與存焉。

書き下し文:
孟子曰はく、
君子くんし三楽さんらくあり、しかして天下に王たるは、あずかそんせず。
父母ともに存し、兄弟ことなきは、一楽なり。
あおいで天にぢず、して人にぢざるは、二楽なり。
天下の英才を得て、之を教育するは、三楽なり。
君子に三楽有り、しかして天下に王たるは、あずかそんせず。」と。

君子に三楽あり50,96

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意解:

君子には三つの楽しみがあるが、天下の王となることはその中に含まれない。
君子のような立派な人物には、三つの楽しみがあるのだという。
その三つとは何か。「孟子」によれば、こうである。

「父母ともに存し、兄弟故なきは、一の楽しみなり。
あおいで天にじず、して人にじざるは、二の楽しみなり。
天下の英才を得てこれを教育するは三の楽しみなり」

これを箇条書きにすると、つぎのようになる。
一、父母が共に健在で、兄弟がそろって息災であること
一、どこから見ても恥ずかしくない生き方をしていること
一、優れた英才を見出して、その成長を助けてやること

同じように人生を楽しむにしても、楽しみ方は人それぞれに違っている。
できれば君子の楽しみ方を心がけたいものだ。
つ、「君子には三つの楽しみがあるが、
天下の王となることはその中に含まれない」と念を押している。

論語 季氏第十六 5に「益者三楽、損者三楽」とある。礼儀と音楽をほどよく親しみ(節禮楽)、人の善言善行ぜんげんぜんこうたたえることを楽しみ(道人之善)、立派な人柄ひとがらの友が多いことを喜ぶ(多賢友)ことは、有益ゆうえきな楽しみである。おごりて人を見下し、わがまま勝手を振る舞い(驕楽けうらく)、博奕遊芸ばくちゆうげいなどにふけってなまけ遊び(佚遊いつゆう)、酒色しゅしょくふけって安逸あんいつ(何もせずのんきに過ごす)をむさぼる(宴楽えんらく)ことは、有害ゆうがいな楽しみであると言っている。
されどたのしみの無い人生も味気あじけない、ほど良い息抜きとしての驕楽けうらく佚遊いつゆう宴楽えんらくも必要に思われる。

参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。

私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。

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