第八章
君子は道を謀りて食を謀らず
ー君子謀道、不謀食ー 論語 衛霊公第十五の三十二
【論語:十巻二十編。孔子や孔子の門弟の言行を記したもの。
儒家の聖典とされている。四書の一つ】
原文:
子曰、
君子謀道、不謀食、
耕也餒在其中矣、
學也禄在其中矣、
君子憂道、不憂貧。
書き下し文:
子曰く、
君子は道を謀りて食を謀らず、
耕して餒え其の中に在り、
学びて禄その中に在り、
君子は道を憂えて貧しきを憂えず。
意解:
孔子曰く、
「人格者たるもの、道を追い求めるが食を得ようとはしない。自ら耕して生活しながら飢えることさえある。学んでいればその内に俸禄を得られるものだ。ゆえに人格者たるもの、道の事を考えても自分の貧しさは気にしないものだ」と言っている。
真に道を求めれば仕官の道も自然と開けるのだと教えている。
史記 伯夷列伝に「天道是か非か」がある。中国人は昔から「天道」(天の摂理)の存在を信じ、「天道は親なし、常に善人に与す」━━━━天道は公平無私であって常に善人に味方すると、自分の心に言い聞かせてきている。これに重大な疑問を書で投げかけたのが司馬遷である。「天道は、はたして存在するのか」、「史記」の作者、司馬遷が「伯夷列伝」の末尾にしるしたことばである。共感できる一面も感じる。
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。