殷鑑遠からず、夏后の世に在り|殷鑑不遠、在夏后之世|詩経|
第二章 自己を高める
殷鑑遠からず、夏后の世に在り
ー殷鑑不遠、在夏后之世ー 詩経
(詩経:中国最古の詩集。周初から春秋時代中ごろまでの詩を集めている。
現存するものは三百五篇。五経の一つで、初めは単に「詩」といったが、
宋代以降「詩経」と呼ばれるようになった。)
{原文}
殷鑑不遠、
在夏后之世。
{書き下し文}
殷鑑遠からず、
夏后の世に在り。
{意解}
中国の王朝は、夏、殷、周と続いていた。夏王朝、最後の桀王。
殷王朝、最後の紂王 。この二人は、極悪非道で ともに国を滅亡に追いやり、
最悪の暴君の見本に挙げられている。
この言葉は、この事実により生まれたものである。
殷の紂王の「後事の師」とすべき(殷鑑)は すぐ前の夏王朝(夏后)であり、
夏の桀王の失政「前事」に学ぶべきであった。通常、
「殷鑑遠からず」の言葉で反面教師とすべき教訓は近いところにあると教えている。
詩経 小雅 鶴鳴に「他山の石、以って玉を攻くべし」とある。
つまらぬ他人の言動でも、 自分を鍛える助けとして
活用することができるということである。
わかりやすく言えば、「人のふり見て、我がふり直せ」である。
歴史上には、 多くの先人達の失敗、失策の記録がある。
同じ失敗を重ねないためにも、
先人達の体験に学ぶことは重要に思われる。
参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。
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