四時の序、功を成す者は去る|四時之序、成功者去|史記 春秋戦国|

第一章 大きく生きる

四時の序、功を成す者は去る
四時の序、功を成す者は去る

第一章 大きく生きる

 


四時しじじょこうもの

ー四時之序、成功者去ー   史記 春秋戦国 秦
(史記:百三十巻。前漢の司馬遷が撰した、中国最初の通史です。
上古の黄帝から、漢の武帝までの歴史を紀伝体で記しています。)

{原文}

四時之序、
成功者去。

{書き下し文}

四時しじじょ
こうす者は去る。

四時の序、功を成す者は去る
四時の序、功を成す者は去る


{意解}

始皇帝が統一する前の秦国の宰相、
范雎はんしょは内政・外交に卓越した手腕をふるい、
君主の信頼も厚く絶頂期にあった。
そこに蔡沢さいたくという人物が、
引用して引退を勧告したことばである。
「四時の序」とは、春夏秋冬、四季が移り変わる意。
春は春の役割を終えれば夏に、
夏は夏の役割を終えれば秋に主役の座を譲り、
舞台の裏に身を引く。

「人間もそうあるべきだ」と語っている。

人は絶頂期にある時は、
引退するなどということは毛頭考えない。しかし、
この范雎はちがった「し、吾聞く、欲してとどまるを知らざれば、
その欲する所以ゆえんを失い、有してるを知らざれば、
その有する所以ゆえんを失う。先生、幸いにしょ(范雎)に教う。
つつしんで命を受けん」と答え、辞任したという。

周易上經 彖伝たんでん上、乾下乾上 乾為天にも「亢龍悔いあり」とある。
頂上まで昇りつめた者はやがて転落の道をたどって
いを残すことになる、といましめた言葉である。
昇りつめた者が転落を免れるためには、
身を引くタイミングを謝らないことが必要だ。
遅くとも、昇りつめたそのときに、
引退の潮時を考えるぐらいで、ちょうどよいのかもしれない。

自分の役割を果たし終えたらいさぎよく身を引く。
これも生き方の一つの作法だろう。
私思、映画「最後の忠臣蔵」の主人公を思い出される。

*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。

私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。