
懐と安は実に名を敗る
第二章
懐と安は、実に名を敗る
ー懷與安,實敗名ー 春秋左氏伝 僖公二十三年
(左伝:三十巻。「春秋左子伝」の略。魯の左丘明の選と伝えられている。
「春秋」の注釈書で「左氏伝」とも言う。十三経の一つ。)
{原文}
懷與安,
實敗名。
{書き下し文}
懐と安は、
実に名を敗る。

懐と安は実に名を敗る
{意解}
「懐」は楽をしたいと思う心、 「安」は安逸を貪ること。
漫然とテレビやゲーム、娯楽で
ダラダラと毎日を過ごしているようでは
いい仕事はできないと諭している名言です。
春秋時代の覇者の一人に 晋の文光という人物がいる。
後継者争いに巻き込まれて国外に逃れ、
十九年の長い亡命生活の末に、
帰国して王位についた 忍耐強い人物である。
斉国に亡命中、 長い亡命生活に疲れ、
やる気をなくし 安楽な生活に溺れていた時、
見かねた夫人が、夫の公文を諌めた言葉の中に出てくる。
この言葉を聞き、 自戒し、
悔い改める度量を 持ち合わせていたということである。
「苦衷の苦を受けざれば、人の上の人たること難し」
君子たる一つの条件を培った時期なのだろう。
*「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。