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そののうほこれば、そのこううしな

 

ー矜其能、喪其功ー    書経 説命中えつめいちゅう
(書経:二十巻。「尚書」のこと。五経の一つ。堯、舜の伝説時代から夏、
殷を経て、周代に至る間の政治に関する記録。初めは単に「書」といったが、
宋代になって「書経」と呼ばれるようになった。)

 

{原文}
有其善、喪厥善。
矜其能、喪厥功。
自有其善、則己不加勉而德虧矣。
自矜其能、則人不效力而功隳矣。

 

{書き下し文}
ぜんりとせば、ぜんうしなう。
のうほこれば、こううしなう。
みずかぜんりとせば、すなわ己勉おのれべんくわえずして德虧とくかく。
みずかのうほこれば、すなわち人ちからいたさずしてこうやぶる。
 


 

{意解}
善を持っていると思い上がると、持っている善を失ってしまう。
のう(才能・能力)があると思い上がると、能力を失ってしまう。
自分が善を持っていると思い上がると、善につとめなくなるので
持っている善を失ってしまう。
自分に能があると思い上がると、能をみがかないので能力を失ってしまう。

のう」ー能力・才能。これは人が生きていくうえで有力な武器となる。
これに恵まれた者は、成功する可能性が高く、
リーダーとしての必要な条件の一つである。

しかし、持っている能力も、これ見よがしにひけらかし、
思い上がると、たちまち周囲の反感を買ってしまう。
反感を買うぐらいですめばよいが、赴くところ、
最悪、功績も地位も失ってしまう場合も少なくない。
歴史を調べてみると、そういう例がきわめて多いのである。

さすがにある程度年輪を重ねた者は、
そのへんの機微をよく心得ているようで、
鼻の先に能力をぶら下げて歩いているような人物は少ない。

だが、若い世代には、けっこう、そんな人間が多い。
こういうタイプは、よほど自覚して能力を隠すようにしないと、
大成はむずかしいように思われる。

のうあるたかつめかく
才能や実力のある者は、
軽々しくそれを見せつけるようなことはしないほうがよいだろう。

 

*「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。

 

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沈琳 二胡 女人花

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