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天下を争う者は必ず先ず人を争う|中国古典 名言に学ぶ

天下を争う者は必ず先ず人を争う

天下を争う者は必ず先ず人を争う

第六章

天下てんかあらそう者はかならず人を争う

ー争天下者必先争人ー    菅子
(菅子:二十四巻。春秋時代の前期、斉の桓公に仕えた宰相管仲とその門下の撰。
政治の大本は富民で、立法や布教はそれに次ぐということを説いている。)

{原文}
争天下者必先争人

{書き下し分}
天下てんかあらそう者はかならず人を争う

天下を争う者は必ず先ず人を争う

天下を争う者は必ず先ず人を争う




{意解}
 人はどんなに優れた能力に恵まれても、一人で出来る事には限界がある。
大事を成そうと思えば、どうしても、周りの人々の理解と協力が必要となる。
「人を争う」の一文には、優秀な人材の獲得、人心の獲得の意味がある。

 例を挙げれば、漢の劉邦が項羽に勝てたのも
「三国志」の劉備が乱世を生き抜けたのも
そのいい例である。

 すこし 「菅子」を紐解ひもといてみる。
「愛之、利之、益之、安之」
(国民を)愛し、利し、益し、安んじることこそ
最も大事だというのが管子の思想である。

管子の言葉に「四維しい」がある。

・一つ目はれい、つまり人間関係や秩序を維持するために必要な倫理的規範
・二つ目は、つまり倫理道徳にかなっていること
・三つ目はれん、つまり無私無欲であること
・四つ目ははじを知ること

国家の指導者は、この四維しいまえて実行すれば、
人造りという教育段階も歩み始めたことになるという。
そしてその政治の秘訣ひけつ
(在順民心)「人民の願いを察してかなえることにある」とし、
苦労を除き、生活を豊かにし、安全を図り、繁栄を図る。
この四つを念頭に政治が正しく行えていれば、
国民はおのずとその国を愛し、

政府を信頼するだろうし、
逆であればどんなに美味しい言葉で飾ってもうまくはいかない。
と「菅子」は提言している。

この管子の思想を考察すれば、
争天下者必先争人」の重みも変わってくるだろう。

*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。

私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。

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