第一章
往く者は追わず、来る者は拒まず
ー往者不追、来者不拒ー 孟子 尽心章句下
{孟子:七編。戦国中期の儒家孟軻の言行や学説を編集したもの。
性善説や王道論は有名。四書の一つ。)
{原文}
往者不追、
来者不拒。
{書き下し文}
往く者は追わず、
来たる者は拒まず。
{意解}
ふつうは「去る者は追わず、来る者は拒まず」と慣用され、去っていく者は後を追わない、来る者は誰でも拒まずに受け入れる。こだわりのない人間関係を示したことばである。布教に於いての心構えだったのだろう。
孟子のこのような境地に達することができれば人生も味わい深い色をおびてくるのかもしれない。しかし、現在の社会に於いても、私生活に於いても初めに選択する事から始まることが多いように思う。
ここで孟子の心の広さを語っているが、ただ「往く者は追わず、来る者は拒まず」のニュアンスに人の情をあまり感じないのは私の未熟さのせいかも。
史記 第十巻に「壹貴壹賎、交情すなわち見わる」とある。人の付き合いが生死、貧富、貴賤の変化につれて、ガラリと変わることを皮肉った言葉である。現代でも同じで、好調なときは人も寄ってくるが、落ち目になると、人の足も途絶えてしまう。やるせない気持ちではあるが、それが現実である。
*参考資料:「中国古典一日一言」守屋洋(著)をもとに、
自分なりに追記や解釈して掲載しています。
私たちは、日々、何をするにしても
大なり小なり、決断(選択)をしている
その折々に思い出し、
より善い選択(決断)ができるように
貴方も私も 在りたいですね。